1920年代以降のシャネルのコピー戦略

1920年代、シャネルの人気は爆発的なものとなります。

当時の女性ファッションの常識を覆し、上流階級の女性のみでなく大衆女性にも大変大きな影響を与え、フランス全土に人気が広まりました。

ファッション界にも大きく影響し、市場が拡大していきます。

そんな中で、当時人々のニーズを満たし大流行を果たしたシャネルのデザインを盗んで作られるイミテーションが市場に数多く出回るようになります。

特にその時代のアメリカにおいては、今現在アジア諸国でよく見られるような偽造品が大流行していました。

人気があるデザインは、すぐに真似をされ、イミテーションとして大衆市場に出回っていたのです。

シャネルもその標的となり、偽造品が多く売られるようになったのです。

そこからアメリカ全土にシャネルの名前が知れ渡るようになります。

ここでシャネルは戦略を打ち出したのです。

今で言う著作権や財産権の侵害を訴えたのではなく、デザインが盗まれ、偽物が作られ売られ、大衆で着られることを大いに受け入れたのです。

なぜならその現象こそが、偽造品が出回るからこそ人気がある証拠、人々に受け入れられている証拠であると信じ、全世界にシャネルの知名度を広げる為のひとつの強力な手段となり得ると考えたからです。

そして何より、これこそシャネルのブランドイメージを世に広めるチャンスであると捕えたからなのです。

シャネルは安く誰でも買える値段の偽造品が出回る中で、決して価格を下げることも偽造品に対抗しようともしませんでした。

それまでと変わらず機能性と実用性にこだわり、良質な素材でコレクションを発表し続けました。

偽造品に対抗する価格戦略を打ち出すこともなく、気高くエレガントな女性のためのブランド、シャネル、としてのイメージを決して変えようとはしなかったのです。

そのことこそが、偽造品と比較していかにシャネルが本物のブランドであるかということを世に知らしめる、強烈な戦略となったのでした。

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